しんどいですね。試合直後はさすがに落ち込みました。
しかし、J1 第4節 浦和戦をもっと楽しく観るために、鹿島アントラーズの問題点を、前向きに、考えてみようと思います。
シュートは打つことが出来ている
下の表①は、鹿島アントラーズのシーズン別、1試合平均のシュートやゴールのデータです。
(今回のデータは全てFootball LABさんのものを使用させて頂いています。公式記録とは異なります)
なんと2020シーズンのここまで3試合、シュート数はリーグ1位(川崎とタイ)です。
鹿島の過去のシーズンと比較しても、昨季からは大幅増、リーグ最多の得点力を誇った2014やその翌年の2015シーズン並みのペースとなっています。
< 表①:鹿島 J1 1試合平均データ >
ちなみに2014と2015シーズンはこんなメンバーでした(リーグ戦出場時間順)。
< 2014メンバー >
< 2015メンバー >
中盤に柴崎と小笠原、そしてカイオまでいれば、そりゃシュート数もゴール数も増えるよなぁと彼らの不在の大きさを感じてしまいますね...カイオ・柴崎が移籍し、小笠原が出場機会を減らすにつれ(そして引退)、シュート数・ゴール数とも年々下がって来てしまっていたのでしょうか(もちろんそれだけが原因ではないと思いますが)。
しかし今季は、まだ3試合とはいえ、柴崎・小笠原・カイオほどゲームメイクや仕掛けに卓越した選手たちがいない、また監督や多くの選手が入れ替わった状況でも、昨季から大幅に増やし、リーグ1位多くのシュートを打つことが出来ています。
この点については素直にザーゴ監督や選手たちを評価して良いのではないでしょうか?
なお、シュートの質を考える材料の1つとして、J1 2020シーズン3試合のシュート数をペナルティエリア内・外で分けたものが下の表②です。比較のために、ゴール数・シュート数のリーグ上位チームも載せています。
鹿島はエリア外からのシュートが多めなのは少し気になりますが、エリア内からのシュートも広島(ゴール数1位)や横浜Mと同等以上打つことが出来ています。
< 表②:2020 J1 第1-3節合計シュート数 >
シュート精度が低い
3試合7失点の守備やビルドアップにも問題はありますが、シュートは打つことが出来ているのに点が入らない以上、現状の最大の問題点はシュート精度(その前のトラップなども含む)だと思います。
下の表③は、表①と同様、鹿島アントラーズのシーズン別の1試合平均シュート数やゴール数のデータで、枠内シュートなどの項目を変更したものです。
2020シーズンのここまで3試合、枠内シュート率は2014年以降でワーストです。
< 表③:鹿島 J1 1試合平均データ >
エヴェラルドとアラーノにかかる期待
下の表④は、J1 2020シーズン3試合での鹿島の選手別シュート数です。シュート数が最も多いエヴェラルドとアラーノで、チーム全体の約4割(38%)を占めています。
< 表④: 鹿島 2020 J1 第1-3節 シュート数 >
比較として、同3試合までのリーグ得点数トップ3の選手たちのシュート数を並べたのが下の表⑤です。エヴェラルドとアラーノのシュート数はリーグ内でも決して少なくないことがわかります。
< 表⑤: 2020 J1 第1-3節 シュート数 >
と、ここまで厳しい内容を書いてしまいましたが、私はエヴェラルドとアラーノを変えろと言いたいわけではありません。
むしろ逆で、チームが出来上がっていない段階にも関わらず、これだけシュートを打つことが出来ている2人だからこそ、2人が点を取り始めればすごいことが起きると感じており、鹿島が優勝するためには2人の活躍が不可欠と考えています。
ここまでノーゴールのエヴェラルドとアラーノですが、彼らの力はこんなものではないはずです。1つのゴールがあれば、1試合の活躍があれば、きっとそれがきっかけとなり、彼らは鹿島アントラーズの大きな力になってくれると信じています。
浦和戦がそうしたきっかけとなる試合になることを楽しみにしています。
< エヴェラルド プレー動画 >
< アラーノ プレー動画 >